循環器内科

循環器内科

診療のご案内

高血圧、不整脈、心不全、狭心症、
心臓弁膜症、心筋症などの
循環器内科全般の診察、治療を行っています。

当院では高血圧、不整脈、心不全、狭心症、心臓弁膜症、心筋症などの循環器内科全般の診察、治療を行っています。
特に不整脈、心房細動の治療、その合併症としての脳梗塞の予防、心不全の予防、心臓突然死のリスク回避、ペースメーカー管理など循環器専門医としての長い治療経験から一層力を入れて取り組んでいます。

主な心臓病の治療

高血圧

Hypertension

高血圧

血圧は最も心臓の状態、全身の状態を容易に観察できるバイタルサインです。血圧を正常に保つことで、他の心臓病や脳梗塞などの発症を未然に防ぐことができます。高血圧の大部分は血圧を上げる原因を特定できない「本態性高血圧」というタイプです。腎臓や神経系などの何らかの遺伝的な要素と塩分の摂りすぎや肥満などの生活習慣・環境の要因が加わって起こります。血圧を高くする明らかな原因があって高血圧になっている場合もあり、「二次性高血圧」といいます。腎臓の血管の病気や内分泌疾患などがあります。二次性高血圧ではその原因となっている病気を治療することで血圧が顕著に低下します。140/90mmHg 以上を高血圧として検査、治療の対象となります。降圧目標値は130/85mmHg未満ですが、年齢や基礎疾患の有無によって5-10mmHg程度異なってきます。

心臓は常に拍動しています。縮んでいるときを収縮期といい、このときの血圧を「収縮期血圧」(上の血圧)と呼びます。反対に、弛緩しているときが拡張期で、このときの血圧は「拡張期血圧」(下の血圧)と呼ばれます。血圧は心臓が押し出す力の強さだけでなく、血管の柔軟性にも左右されます。血管の柔軟性は、高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病で血管が硬くなる「動脈硬化」により失われ、高血圧を一層悪くします。

当院では高血圧治療のガイドラインに沿った治療をしていきます。血圧の薬は多種類あり、他の心臓病や腎機能などとの兼ね合いで使える薬、組み合わせのできる薬が異なりますので注意が必要です。


不整脈

Arrhythmia

不整脈

動悸、息苦しいなどの症状が出現する脈の早くなる頻脈性不整脈や、めまい、失神などの症状で発症する脈が遅くなる徐脈性不整脈があります。不整脈は多種類あり、治療の要さない良性のものと、治療をしないと徐々に悪化し心不全、脳梗塞、心臓突然死の原因となるものがあります。特に脳梗塞を起こしやすい心房細動という不整脈は、その治療をなるべく早期に行うことで、心不全、脳梗塞の予防にもつながります。症状だけでは良性のものか、治療を要するものかの判断が難しい場合があり、24時間ホルター心電図などで診断が必要となります。

健診などでよく指摘される期外収縮は概ね良性でありますが、放置すると心不全や心房細動へ移行し予後が悪くなる場合があり早めの診断が必要です。頻脈性不整脈は通常、薬剤から開始し改善しない場合は不整脈の原因部位を細い管を使い治療するカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)を行います。不整脈の種類、弁膜症や心筋梗塞などの器質的心疾患の有無、病態の進展の程度でその成功率が異なります。病態の全体像、年齢、フレイルなど全身状態を考慮し、その適応を検討します。

また、心臓突然死の原因となるBrugada症候群やQT延長症候群は、単に心電図変化のみから診断することはできず、心臓電気生理検査や遺伝子検査まで必要とすることがあります。植え込み型除細動器(ICD)により致死性不整脈の心室細動からの突然死を予防することが可能となります。徐脈性不整脈に対しては、症状とホルター心電図の結果を考慮しペースメーカー治療を関連病院と協力して行います。


心不全

Heart Failure

心不全

息切れ、動悸、呼吸困難、咳などが主症状で、原因は心臓ポンプ機能の低下です。心不全の原因は心臓弁膜症、心筋梗塞、心筋症など様々で、心房細動などの不整脈を合併するとより心不全は重篤となります。右心室の機能が低下すると、静脈系のうっ血のため下肢の腫れやむくみが起こり、左心室が低下すると、血液が十分流れず、全身の臓器への影響が出てきます。心不全は薬による治療が中心となります。体内の余分な水分を取り除く利尿薬、心臓の負担を軽減する薬、心臓の働きを助ける薬などがあります。薬は症状を軽くしたり、症状が出ないようにしたりするためのもので、慢性心不全の場合は、心臓が長年にわたり徐々に悪化するのを防ぎ、さらに、心臓突然死を防ぐことが重要で、長期的な予防に役立つ薬を投与していきます。心臓弁膜症や心筋梗塞が原因の場合は外科手術による治療を行うこともあります。血液検査BNP:ナトリウム利尿ペプチドにより、心不全の程度を簡便に評価することができるようになってきています。


狭心症・心筋梗塞

Angina Pectoris / Myocardial Infarction

狭心症・心筋梗塞

心臓自体は大動脈から最初にでている冠状動脈という細い血管によってその血液を心臓自身にも供給しています。この血管が動脈硬化によって血管が閉塞することにより心蔵への血液の供給が途絶えてしまいます。完全に閉塞して壊死に至った部位は壁運動機能が低下し、障害の程度により心不全の原因となります。可逆性で心筋の壊死(組織の一部が死んだ状態)にならないものを狭心症といい、完全に閉塞して壊死に至るものは、心筋梗塞と言います。生命に危険が及ぶ状態なので、迅速で適切な治療が必要とされます。体外から挿入した細い管(カテーテル)を使用して狭窄部位を拡張する治療法で、マイクロバルーン(風船)を用いて拡張する方法、薬剤溶出性ステント(金属製のコイル)を血管内に植込む方法などがあります。


心臓弁膜症

Valvular Heart Disease

心臓弁膜症

心臓弁膜症は、血液の流れを調整する心臓の弁の開閉や組織に障害が起きる病気です。心臓弁の開口部が狭くなると、心臓が送り出す血流量は減ります。心臓弁が完全に閉じない場合は血液が逆流します。この心臓弁の状態は全身に必要な血液量を送る心臓の機能が低下し心不全を引き起こします。左心室側で起こる僧帽弁閉鎖不全、狭窄症や大動脈弁閉鎖不全、狭窄症などがあり高齢者の心不全の原因として最も多い疾患です。心臓のポンプ機能低下が進む場合、心不全症状が出る場合、薬物治療で良くならない場合は外科的手術やカテーテル治療が必要となることがあります。


心筋症

Cardiomyopathy

心筋症

息切れ、動悸、呼吸困難が主症状で、心筋症は心臓の筋肉(心筋)に障害が起きる病気です。心臓が拡張する拡張型心筋症(DCM)と心臓の壁が厚くなる肥大型心筋症(HCM)があります。遺伝的な要因を認めることがありますが、原因のはっきりしない特発性の例も多く認めます。心不全症状が強くなる前に治療を早めに始めることが大切です。薬剤で症状が軽快することもありますが、反応しない場合は医療機器の植え込みが必要となります。重度心機能低下例には両心室ペースメーカー治療、重症不整脈を合併する例には植込み型除細動器(ICD)を必要とします。若年性の拡張型心筋症は心臓移植手術の適応となる場合があります。